みんなのキリスト教ニュース - 金沢大、イタリアで壁画修復完了 壁画の物語、アニメに

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 イタリア・フィレンツェの三大教会のひとつ「サンタ・クローチェ教会」で、石川県金沢大学が取り組んできたフレスコ壁画の修復が完了した。修復完了に合わせ、同大は壁画に描かれた物語を紹介する映像を制作。7日にイタリアの同教会で開かれる完成記念セレモニーで公開される。

 修復したフレスコ画は、14世紀末、画家アーニョロ・ガッディが大礼拝堂の高さ26メートルの壁面に描いた「聖十字架物語」。修理総面積は約820平方メートルで、8枚の巨大な壁画にはキリストが刑に処せられた十字架の木を巡る歴史物語が紹介されている。

 フレスコ画は、壁にしっくいを塗り、乾かないうちに顔料で絵を描く技法だ。99年、テレビ番組でフィレンツェのフレスコ画の現状を紹介した金沢大の宮下孝晴教授(イタリア美術史)に、美術愛好家から「壁画の修復のために」と2億円の寄付の申し出があった。同大は2004年、宮下教授を中心に、国立フィレンツェ修復研究所と協力して同教会の壁画修復を開始。昨年12月に完了した。

 同大は式典に合わせ、壁画に描かれた物語を分かりやすく説明するためにCGアニメーションを制作した。8枚の壁画に描かれた登場人物が動き、十字架の由来などをナレーションで紹介する。

 同大は「当時の人々は、絵を順番に見て『読み物』として壁画を読んでいた。映像がきっかけになり、壁画を読む感覚を知ってもらえれば」としている。

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 サンタ・クローチェ教会の壁画は金沢大角間キャンパスでも見ることができる。14~15世紀のフレスコ壁画に使われた技術や材料の研究のため、2007年に人間社会第2講義棟の壁に「聖十字架物語」の一部を原寸大で復元した。同大は今春、復元壁画前に案内板を設置。同教会の歴史や修復のやり方などが紹介されている。見学は自由。金沢大学バス停から徒歩3分。(黒田壮吉)

朝日新聞 asahi.com マイタウン石川 2011年6月4日


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