みんなのキリスト教ニュース - 本命なき後継法王選び コンクラーベ、12日開始

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 【ローマ=宮下日出男】新ローマ法王選出のための「コンクラーベ」(法王選挙会)が12日始まる。約600年ぶりの法王生前退位という突然の事態を受け、本命候補は不在との見方が強い。イタリア人候補が注目される一方、「非欧州」の法王誕生を模索する動きもあるようだ。教会改革への思惑も絡み、すんなりと決まるかは不透明だ。

 枢機卿らは8日、バチカンで開いた会議でコンクラーベについて決めたが、それまで連日、新法王に求める“姿”についても意見交換した。その結果、「混戦」とされる後継選びについて「少しはっきりしてきた」と語る枢機卿も出てきた。

 メディアが有力候補として注目する一人は、イタリアのミラノ大司教、スコラ枢機卿(71)。ミラノ大司教とともに重要ポストのベネチア総大司教を歴任しており、前世紀にはいずれかの職務を経験した法王が多かったからだ。

 法王職はポーランド出身で先々代の故ヨハネ・パウロ2世が就くまで400年以上、イタリア人が占めてきた。続く前法王、ベネディクト16世もドイツ人だったため、イタリア人に戻ることへの期待も大きい。

 ただ、未成年者への性的虐待問題や法王庁の内部文書流出事件で教会の信頼が揺らぐ中、教会のイメージ刷新のため欧州以外からの法王選出を望む声も強い。その候補には、ブラジルのサンパウロ大司教、シェレル枢機卿(63)、カナダ出身の法王庁司教省長官、ウエレット枢機卿(68)が取りざたされている。

 世界約12億人のカトリック信者は現在、4割超を中南米が占め、信者の増加はアフリカが最も著しい。「非欧州」からの選出への期待にはこうした背景もある。北米の枢機卿らはこのため、中南米やアフリカ勢の協力確保に動いているとも報じられている。

 ただし、後継を選ぶ基準は出身地域だけではない。法王庁内部の「権力闘争」もささやかれる中、法王庁との関係が薄い人物を望む声もある。コンクラーベに参加する枢機卿全115人が保守派の前2代の法王に選ばれており、保守路線は続くとの見方は強い。その一方で、改革志向の法王誕生を目指す動きもある。

MSN産経ニュース 2013.3.12 00:57 (1/2ページ)


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